Journal
2022
About.room shoes series
12年前にroomshoesという名前の靴を作りました。
器のお店さまから「店先の土間で履いていられるスリッポンを作れませんか?」と、リクエスト頂いたのがきっかけでした。
イタリアのBadalassi Carlo社のPippo leatherというオイルスエードに出会ったのもこの時期でした。
シンプルに1枚革でバブーシュの様にかかとを折り曲げたデザインにしようという構想がありましたが、この革に出会いroomshoesのデザインがより明確に見えた事を、今でも覚えています。
その後改善は幾度となく行ってきました。ライニングのついたroomshoesⅱなど種類も増えました。
こんなに長く、そしてこんなに不思議な立ち位置の靴を多くの方に求めて頂けることが、
純粋に嬉しいです。
シンプルすぎる靴が故、歩きやすい?という問いに対して「とても歩きやすいですよ」と声を大きくして言えないですが、靴のインソールは薄くてもしっかりとした紳士靴用の革中底と構造を採用しています。またわざとスニーカーラスト(木型)を使い、内側の足あたりを緩やかにしています。
どこかにありそうだけど、独自の存在感を出せるようになったのは、この12年間絶えず色々な方に履いて頂き、その中で頂いた意見を反映させられたことだと思っています。
またこの先どのような服装に、どのようなシーンにこの靴が運んでくれるのだろう。気ままに。気張らずについていこう。